用語集

がん治療用語集~放射線の種類(α線・β線・X線・γ線)について

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がんの治療法として、「手術療法」「抗がん剤療法」「放射線治療」は三代治療法と呼ばれています。
なかでも放射線治療についての用語をご紹介します。

がん治療 X線

放射線治療

放射線治療とは、がん細胞が分裂していく際、これ以上がん細胞が増えないようにしながら、がん細胞を消滅させ減少させて行く治療法です。

放射線治療に用いられる放射線の種類はα線、β線、X線、γ線の4つに分類されます。
なかでもα線とβ線は粒子線、X線とγ線は電磁波になります。

放射線治療の直接作用

正常な細胞、がん細胞にかかわらず、細胞に強い放射線を照射すると、細胞の中にある分子に放射線が当たり電子が吹き飛ばされる現象が起こります。

するとがん細胞のDNAはダメージを受けることになり、以後細胞分裂ができなくなります。
細胞分裂できなくなったがん細胞は、最終的に細胞の自滅(アポトーシス)に繋がります。

この作用は「電離作用」と言い、電離がDNAに影響することから、放射線治療の直接多用が起こります。

放射線治療の関節作用

放射線治療において、重要な役割を担っているのが「活性酸素」です。
活性酸素といえば、アンチエイジングの大敵と言われていますが、がん治療においては活性酸素ががん細胞を破壊してくれる役割をします。

放射線が細胞内の水分子に当たり電離作用が起こると、活性酸素へと変化します。
活性酸素は、DNAを破壊する効果があるため、放射線治療の間接作用となって働くのです。

X線

放射線治療 X線 レントゲンX線といえばレントゲンを連想する人が多いでしょう。

レントゲンとは、X線の発見者の名前です。
X線は目には見えませんが、物質を透過するという性質があるため、エックス線撮影などに用いられます。

X線は電磁波であり、波長は1pm~10nm程度です。
発見者のレントゲンは、X線のことを「未知なる線」ということでX線と名付けました。

X線で写せない臓器

胃や大腸など、単純X線では写らない臓器の場合は、造影剤を使用することで体内の様子を詳しく見て診断することになります。

サイバーナイフ

放射線治療 サイバーナイフ

サイバーナイフは、アメリカのスタンフォード大学ジョンアドラー教授らによって開発された「定位放射線治療装置」と呼ばれる高精度の放射線治療装置です。
1,200方向から放射線を放射することができるロボットアームを搭載しており、誤差は2mm以下とされています。

サイバーナイフの一番の強みは、患者さんのわずかな動きに合わせて照射位置を調整できる動体追尾システムでしょう。
「患者さんが動いてしまった!」という場合の修正も自動的に対応しますし、肺などのように、人間の意思で動きを止めることができない臓器の動きにも対応しています。

IMRT(強度変調放射線治療)

強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT)とは、1本1本の放射線ビームの中に、線量の高い部分と低い部分を作ることができるという特徴があります。
腫瘍部分にのみ放射線を当てることができるため、正常細胞へのダメージが最小限に抑えられます。
結果、IMRTでの放射線治療は、副作用が少なくなります。

IMRTが開発される前の放射線治療では、ピンポイントでがんにだけ放射線を照射することができずに、どうしても周囲の正常細胞にも放射線が照射されてしまっていました。
しかしIMRTは、放射線量の強弱を変えながら、複数方向からがんの病巣に放射線を集中させていくという治療法です。

放射線のピンポイント照射が可能なIMRT技術を持つ放射線治療装置「トモセラピー」は、放射線治療の安全性がより高まりました。

トモセラピー

放射線治療 トモセラピー

サイバーナイフと同様、定位置放射線治療装置と呼ばれるトモセラピーには、CT機能が搭載されており、強度変調放射線治療と画像誘導放射線治療を併せた装置です。

トモセラピーが登場するまでの放射線治療では、患者さんの体にペンでマーキングをして放射線の照射位置の目印にしていました。
しかしトモセラピーではヘリカルCTという、体の周囲をらせん状に回転しながら、臓器やがんの腫瘍部分を輪切りのように撮影します。
この高性能なCTで毎回照射前に撮影をしながら照射位置を修正して行くため、毎回高い精度でがん細胞だけを狙ってピンポイントに放射線を照射していくことができるのです。

また、トモセラピーは、CT検査と同様の仕組みで放射線照射が出来るため、全身のどの位置でも、どんな形の腫瘍にも正確に照射することが可能です。
トモセラピーは、正常な組織を傷つけることなく腫瘍だけに集中して、限りなく正確に放射線を照射することができる放射線治療装置なのです。

進行がんにも適している

トモセラピーは、ステージⅢ以降の進行したがん患者さんへ適している治療法です。
進行がんで放射線治療をする場合、治療は基本的に分割照射を行いますが、放射線の照射量や回数などの治療計画は、がんの種類や患者さんの状態をきちんと検査しながら決められていきます。

乳がん治療にも適したトモセラピー

近年トモセラピーに、心臓や肺への放射線照射の負担を最小限に抑える「固定多門照射モード」が追加されました。
そのため、トモセラピーは乳がんにも強い放射線治療装置となり、乳がん治療の選択肢も広がりました。

このように、トモセラピーのヘリカル回転照射モードと固定多門照射モードの二種類を使い分けることで、様々ながん治療に適用していくことができるようになっています。

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