放射線治療

欧米で放射線治療が選ばれている理由~がん治療における安全性

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がんの三大治療法と言えば「手術療法」「抗がん剤療法」「放射線療法」ですが、日本ではがんの治療をするとなれば、まず手術をして、その後に抗がん剤や放射線治療を行うという「手術ファースト」の概念が根強く浸透しています。

日本で放射線治療を受けている人は、がん患者さんの2~3割と言われています。
一方、欧米では放射線治療を第一選択肢にしているケースが多く、がん患者さんにできるだけ負担がなく、QOL(生活の質)を下げることなく過ごせるようにと治療を進められています。

欧米 がん治療 放射線治療

欧米でのがん治療は、放射線治療が多く選ばれている

欧米で放射線治療を受けているがん患者さんの割合は以下の通りです。

放射線治療を受けるがん患者さんの割合
アメリカ 66%
ドイツ 60%
イギリス 56%

欧米では、放射線治療を受ける患者さんが半数以上であることがわかります。日本の倍近くの人が放射線治療を選択しているのです。

日本人の多くの人は、手術を受けるしか選択肢がないと思い込んでいるのですが、実は手術療法は体力が弱い人や高齢者は受けることができない場合もあります。
しかし、放射線治療はどんな人でも受けることができる治療法です。

高齢化社会にも対応する放射線治療

日本は今、高齢化社会を迎えています。そして高齢者のがん患者さんも増えているのです。体力の落ちた高齢者のがん患者さんは、手術療法や抗がん剤療法の副作用に耐えることは厳しくなってきます。

放射線治療は、治療自体もピンポイントの照射で行われるので患者さんの負担が少なくすみますし、副作用もほとんどありません。
そして、どのステージのがん患者さんにも適応できることから、がん治療において放射線治療を第1に選ぶ人も増えてきました。

手術不能のがんでも、放射線治療で治療できる

アメリカでは、毎年多くのサイバーナイフに関する様々な治療実績が報告されています。
「ASTRO」(米国放射線腫瘍学会)によると、2008年ジョナサン・ハース博士による「手術できない早期肺がん21例に関する報告」には多くの人が驚き、がん治療の可能性に希望を抱きました。

がん治療 手術 放射線治療

アメリカでは、早期肺がんの標準治療は手術療法ですが、体力がない高齢者の場合や、合併症がある患者さんの場合、手術療法を選択することはできません。
そこで、ASCO(米国臨床腫瘍学会)では、手術ができない初期の肺がんの標準治療としてサイバーナイフが選ばれています。

標準治療とは、一定の基準に基づいて認定された治療であり、医師の個人的な経験や推測に基づくものではありません。
そのため、アメリカのがん治療では、サイバーナイフによる放射線治療が浸透しており、早期肺がんの治癒率も大幅に上がってきています。

放射線治療の安全性

サイバーナイフの登場は、放射線治療において患部へのピンポイント照射ができることから、大きく安全性が高まりました。
日本でも、これからサイバーナイフによる放射線治療がどんどん浸透してくるでしょう。

現在サイバーナイフが導入されている医療機関が増え続けています。
お住いの都道府県にもサイバーナイフが導入されている施設があるかもしれないので、問い合わせてみてください。

放射線治療 安全性

ジョナサン博士の報告によれば、14カ月という期間の中で、サイバーナイフによってがんの進行を止められた率が90%、そして全生存率は100%でした。
手術不能の早期肺がんに対しても、サイバーナイフの放射線治療であれば、がんの治癒に大きな効果が見いだせることが証明されました。

放射線治療の最新医療機器「サイバーナイフ」

放射線治療は、数十年間の間に大きな進歩を遂げています。

がんの放射線治療のための医療機器「サイバーナイフ」は、X線を使い腫瘍にピンポイントで照射することが出来る定位置放射線治療装置です。
サイバーナイフは、自由自在な方向から放射線を照射することが可能な、ロボットアームがついた放射線治療装置です。

サイバーナイフが登場するまでは、ガンマナイフという定位置放射線治療装置で、主に脳腫瘍の治療に使われていました。
ガンマナイフは、ガンマ線を使う放射線治療でありながら、周囲の正常組織と放射線の照射部分が「まるでナイフで切り取ったかのようにシャープ」ということから、ガンマナイフと呼ばれていました。

ガンマナイフの原理を受け継いで、全身に放射線治療の効果が得られるように開発された放射線治療装置がサイバーナイフです。

サイバーナイフは、放射線の精度が上がったことと、治療時の苦痛も緩和されるようになりました。
ガンマナイフの治療時は、患者さんはできるだけ動かないようにと体を固定されて放射線治療を受けていたのですが、サイバーナイフには患者さんの動きに合わせて照射することができる胴体追尾システムが搭載されています。

放射線治療 サイバーナイフ

そのため、患者さんも窮屈でストレスを感じながら放射線治療を受ける必要がなくなったのです。

ピンポイントで放射線を照射することが可能なサイバーナイフは、早期のがん治療にも向いています。

早期がんの腫瘍部分に、必要な放射線量を照射することで、がん細胞を効率よく死滅させることが可能になりました。
特に3cm以下の小さな腫瘍であれば、1回の放射線治療で腫瘍を消滅させることができる可能性も高いです。

サイバーナイフは、狙いを定めたがん細胞にしっかり放射線を照射するため、ガンマナイフと同様「まるで患部を切り取ったかのような状態」であると言われています。

しかし、放射線はX線を使った治療法なので、手術療法とは違います。
患者さんの体にメスを入れることもなく腫瘍部分を切り取ることが可能なので、治療後の回復度も副作用も手術療法よりもはるかに少なくてすむのです。

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