用語集

男性に多い前立腺がんに放射線治療が効果的と言われる理由は?

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日本人の死因の第1位はがんであり、3人に1人ががんで死亡している時代です。
さらに高齢化社会である現代の日本では、がんの罹患(りかん)率増加は深刻な問題です。

2015年のがん死亡数は370,900人(男性219,200人、女性151,700人)、特に成人男性のがんの死亡率は、女性のがん死亡率の2倍です。
なかでも、近年急激に増え続けている前立腺がん、2020年頃には日本の男性のがんの中で罹患者数が第2位になるのではないかと言われています。

そんな前立腺がんのがん治療についてご説明します。

前立腺がん 放射線治療

前立腺がんとは

前立腺がんとは、前立腺の細胞が無秩序に増殖することで発生するがんです。
遺伝子の異常が発生原因と言われていますが、まだ十分な原因は解明されていません。

前立腺がんが進行していくと、骨や隣接リンパ節に転移することが多く、肺や肝臓などにも遠隔転移する可能性もあります。

前立腺がんの生存率と治療方法

前立腺がんはがんの中でも進行度が遅いがんで、効果的な治療法も多数あるので、早期発見できれば治りやすいがんだと言われています。
特にステージCまでは、生存率が100%と高いことがわかります。

病期(ステージ) 生存率 治療方法
A1 100% 待機療法、手術
A2~B2 100% 手術、放射線治療
C 100% 放射線治療、内分泌療法(ホルモン療法)
D 64.1% 内分泌療法(ホルモン療法)

前立腺がんは進行度が遅いことから、治療方法も寿命に関係がないと判断された場合、特に何もがん治療をしない待機療法が選択されることもあります。

前立腺がんの特徴

前立腺がんは、特有の症状などはありません。
通常は、排尿障害などをきっかけに自覚することが多いです。

前立腺がんの検査

前立腺がんの検査としては検査・診断は、PSA検査(前立腺特異抗原の値をを測る)、直腸診・経直腸的前立腺超音波検査、前立腺生研、悪性度の診断という流れで実施されます。

高齢者でも受けることができる放射線治療

がんの三大治療法の中でも、放射線治療は患者さんに負担が少ない治療法です。

現代は超高齢化社会と呼ばれており、高齢者の数は年々増え続ける一方です。
さらに、がんは年齢が高くなるほど発症率も上がり、前立腺がんも同様です。

前立腺がんで死亡する割合は、50代後半から増え始め、60代から急激に増加していきます。
これは、前立腺がんの進行がゆっくりであることと、高齢者になってから発症することも多いことが背景にあります。

前立腺がん 高齢者

体力の少ない高齢者は、体に直接負担がかかる手術療法や、副作用のきつい抗がん剤治療受けることができない場合が多いです。
手術に年齢制限があるわけではなく、体力が少ない人、体力に自信がない人は、手術療法や抗がん剤療法を受けることは厳しい場合が多々あります。

また、がん以外の病気を患っている場合や、合併症を患っている場合は、手術の選択肢がなくなることもあります。
しかし、放射線治療は副作用もほとんどないため、体力の少ない人でも高齢者でも安心して受けることができる、がん治療法なのです。

放射線治療とは

放射線治療はX線やγ線などの放射線を使って、がん細胞を減らしていく治療法で、メディアでも耳にする「陽子線治療」や「重粒子線治療」なども放射線治療の一種です。

放射線は体外からも体内からも当てることができる治療です。
狙いを定めたがん細胞だけにピンポイントで照射することが可能なため、副作用も少なくてすみます。

放射線の照射頻度や割合は、がんの発生した部位や、がんの状態によって切り替えます。
がんが小さい早期がんの場合は、放射線治療によって完治も目指せますし、がんが全身へ転移している場合や、骨転移をして痛みが疼痛で苦しんでいる時など、痛みや苦痛の症状を緩和させることも可能です。

放射線療法は、手術療法と違いメスを使わないのでがん治療なので、体力に不安のある高齢者のがん患者さんにも適しています。

サイバーナイフ

サイバーナイフはアキュレイ社の登録商法で、がん治療時に放射線治療で使われる定位置放射線装置です。
サイバーナイフに搭載されているロボットアームは、自由自在な角度から放射線を照射することが可能です。

サイバーナイフで治療できるがんは、脳や頭頸部、前立腺がん、肝臓がんなど幅広いがんに対応でき。
また、サイバーナイフには動体追尾システムが搭載されていますので、もし患者さんが動いてしまっても、がんを自動的に追いかけて位置補正します。

前立腺がん 放射線治療 サイバーナイフ

サイバーナイフが登場する以前の放射線治療では、正確に放射線を照射するために、患者さんは出来るだけ動かないようにしなければなりませんでした。
しかし、動体追尾システムが搭載されたサイバーナイフは、患者さんの微妙な動きに合わせることができるので、放射線照射するための位置決めと、位置をその都度修正しながら放射線照射を行うことが可能になったのです。

放射線治療の際に患者さんが動いた場合の修正はもちろん、私たちは呼吸をするので肺が動くように、人間の意思で動きを止められない臓器の動きや反応にも対応できるようになっています。
また、患者さんの意思に関係なく動き続ける肺や胃などの臓器にも放射線を照射します。

患者さんのQOLを保つことができる

サイバーナイフは、がんのピンポイント照射が出来るので、治療による痛みや苦痛もほぼありません。
遠隔転移のない6cm以下の小さな早期がんに対して、サイバーナイフの治療は最も力を発揮します。

サイバーナイフはピンポイント照射が得意なため、その分治療期間も短くなり、短期治療を可能になったのです。

前立腺がん 放射線治療 QOL

たとえば、3cm以下の小さな早期がんであれば、1回の治療でがん細胞を消失させることもできます。
複数回の照射をする場合も、治療回数も1~5回の照射で治療は終わるため、短期治療ですむのです。

また、放射線治療は入院も不要ですので患者さんは、日常生活のQOLを下げることなく、がん治療にのぞめます。

まとめ

高齢者でも受けることができる放射線療法は、高齢者でも安心してがん治療を受けることが可能です。
今後も続く超高齢化社会へのがん治療において、放射線治療は今後もますます期待されていくでしょう。

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