用語集

がん治療用語集:免疫・細胞・抗体など免疫細胞療法に関する用語

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

近年、がんの三大治療法(手術療法・抗がん剤療法・放射線療法)に次いで“第4のがん治療法”として免疫細胞療法が注目されています。

そこで「免疫」「免疫チェックポイント」「抗体」など、免疫細胞療法にまつわる用語について解説します。

免疫細胞療法

免疫

私たちの体にもともと備わっている「免疫」システム。
免疫とは私たちの健康を司っており、免疫システムが働いていることで健康が保たれていいます。

免疫が正常に働いている時は、外部から異物やウイルスや花粉などの外敵が入ってきても免疫が戦ってくれています。
外敵には、体内で生まれるがん細胞も含まれます。
がん細胞は、健康な人でも1日に5,000個以上生まれると言われていますが、全員ががんにかかるわけではないのは、免疫の力が作用しているからです。

免疫力が高ければ、がん細胞を含む外敵ともしっかり戦ってくれるため、がんの増殖を抑えることができるのです。

免疫チェックポイント

免疫は自分自身の体を守るものですが、ただ免疫の活動が活発であればいいというものでもありません。

免疫が活性化しすぎると、自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうことがあり、自己免疫生の疾患が発生することになります。
自己免疫性の疾患は、関節リウマチや膠原病などは、自分自身の免疫が活性化しすぎて起こる病気です。

でも、免疫にも自己免疫性の病気を防ぐために、免疫の暴走にブレーキをかける仕組みがあります。
免疫細胞の中でも「T細胞」は、暴走しないように自らブレーキをかける仕組みを持ち合わせており、このブレーキシステムのことを「免疫チェックポイント」と呼びます。

がん細胞は、免疫に攻撃されないように、免疫細胞のT細胞に「がん細胞を攻撃しないように」とブレーキをかけることができるのです。

がん細胞がT細胞にブレーキをかけると、がん患者さんの免疫力はどんどん落ちてしまいます。
その隙にがん細胞は増殖していくので、患者さんの体力はどんどん落ちてしまうという悪循環になってしまい、結果がん治療も困難になるのです。

細胞 免疫 免疫チェックポイント

そこで、がん細胞が免疫チェックポイントでT細胞にブレーキをかけさせないようにするための薬が開発されました。
それが「免疫チェックポイント阻害薬」です。

免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫にブレーキをかけないようにし、免疫細胞が十分にがん細胞と戦うことができるようにする薬です。

2018年10月にノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大学特別教授は、免疫チェックポイント分子の発見と抗体を開発し、がん治療に大きく貢献しています。

抗体

抗体とは、体外から体内へウイルスや異物などが入った時に、異物に対して攻撃する役割を持ったたんぱく質のこと、免疫の元になるものです。

抗体治療

抗体治療とは、抗体をもとに開発された薬を投与して治療を進めていきます。

抗体ががん細胞に付いて、がん細胞が免疫にブレーキをかけて自らを攻撃しないようにして、がん細胞が増殖しようとする動きにストップをかけ、がんを抑え込んでいく治療をしていきます。

免疫細胞療法

がんと免疫には深い関係があり、がん細胞と戦うには患者さんの高い免疫力が必須だということから、「いかにがん患者さんの免疫力を高めていくか」という研究が長年進められてきました。

そんな時、患者さんの血液からリンパ球を取り出して、身体の外で増殖、活性化させ再び患者さんの体内に戻すという免疫細胞療法が誕生しました。

なかでも「DCハイブリッド療法」は、私たちの体の中にもともと備わる「自然免疫応答」と「特異的獲得免疫応答」という2つの免疫システムを使った新しい免疫細胞療法のことです。

免疫細胞療法 DCハイブリッド療法

DCハイブリッド療法とは

DCハイブリッド療法は、患者さんの血液からリンパ球を取り出し、体の外で培養・増殖して活性化させて、再び患者さんの体内へと戻していく治療法です。
患者さんは、自分の細胞がパワフルに変化した強い免疫細胞を体に取り入れることになります。

パワーアップした免疫細胞は、血液やリンパの流れに乗って全身に作用して、転移したがん細胞や血液中に漂うがん細胞と戦ってくれます。
また、画像診断に写らないような小さながん細胞にもしっかり攻撃してくれる頼もしい存在です。

細胞

細胞とは、生物体を組織作る単位であり、細胞の中には細胞核があります。

DCハイブリッド療法に使われる免疫細胞

DCハイブリッド療法のDCとは「樹状細胞」のことで、DCハイブリッド療法には樹状細胞を含む7種類の細胞が使われます。

  • 樹状細胞
  • ガンマデルタT細胞
  • ナチュラルキラー細胞
  • ナイーブT細胞
  • キラーT細胞
  • ヘルパーT細胞
  • ナチュラルキラーT細胞

これら7種類の免疫細胞は、一旦体から取り出されて体外で活性化されて体内へ戻るため、それぞれが作用し合いながら、がん細胞を攻撃していくようになります。

がんの温熱療法

がんの治療法として、副作用が少ない「温熱療法」もがん治療の選択肢として選ばれます。

温熱療法の歴史は古く、ヒポクラテスの時代から加温して治療するという治療法が適用されていました。

がん細胞は、通常の正常細胞に比べると熱に弱いという特徴があります。
温熱療法は、このがん細胞が熱に弱い特徴に基づいて、がん細胞を42.5度付近まで加熱して、死滅させるという治療法です。

がん治療 温熱療法

アポトーシス

アポトーシスは、細胞が細胞自体の寿命などにより自滅することです。
アポトーシスでの細胞の死は、周囲の細胞に炎症が起こりません。

がんの温熱療法であるオンコサーミアは、がん細胞の細胞壁の内側と外側に温度差を作り、がん細胞をアポトーシス(自滅)に追い込むという治療法です。

ネクローシス

ネクローシスは、何らかの外的要因によって細胞が死滅することです。

がんの温熱療法であるハイパーサーミアは、がん細胞の部分を2枚の電極板ではさみ、8MHzの電磁波を流し、がん細胞を42~43度に加温してネクローシス(破壊)させる治療法です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。