最先端医療

がん放射線治療の最新機器・サイバーナイフの効果とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

放射線治療には、様々な機器が使われます。今回は最新機器の一つである「サイバーナイフ」取り上げます。
サイバーナイフは大きなロボットアームのような外観をしています。定位放射線治療を行う機器で、放射線をがんにピンポイントで照射することを得意としています。

今回は、サイバーナイフの特長や、得意としているがんの種類を見ていきましょう。

サイバーナイフ

身体の固定が楽になったサイバーナイフ

放射線治療の段階の一つに、位置決めというものがあります。文字通り、患者さんの体のどの位置にどの角度で放射線を当てるかを決定する段階ですが、これがとても大切なのです。
この位置取りを上手くできるかどうかで、がんへの効果はもちろん、患者さんの体に現れる副作用の強さも決定します。

位置決めはCTを使って行われます。CTでがんやその周囲の様子を撮影し、計算することで、放射線を照射する最適な向きや角度を探っていきます。
パソコン上で位置が決まったら、体に印を書き込み、実際の機器に合わせて確認です。
もちろん、いきなり照射はしません。レントゲンを撮ったり、必要に応じて印を書き足したり、本当に無駄がないように神経を使いながら、位置決めは行われます。

サイバーナイフのモニター

そうして、いよいよ照射です。患者さんには、動かないようにお願いします。必要に応じて固定具も使います。せっかく位置決めをしても、動いてしまっては意味がないですからね。

一昔前の放射線治療では、頭のように特に動いて欲しくない部位では、ボルトによる固定も行われていました。
痛々しいですが、正常な細胞へのダメージを防ぐためには、そうせざるを得なかったんですね。それだけ動くことはNGなのです。

一方、サイバーナイフは、患者さんの「動き」に強くなっています。
患者さんの体の微妙な動きもとらえて、それに合わせて、位置決めした位置を修正しながら放射線照射を行うことができるのです。この修正範囲は10mmです。
もちろん自由に動いて良いという意味ではありませんので、しっかりと固定はしますが、昔のようなひどい固定は不要になりました。
頭の照射時、サイバーナイフでは、ネット状の固定具で固定します。ボルトに比べれば体への負担は雲泥の差です。

微妙な位置の修正を行いながら、ピンポイントで放射線照射を行うサイバーナイフは、がんに高い効果を上げつつ、正常な細胞への影響を極力減らすことに役立ってくれています。

サイバーナイフは早期がんに向いている

放射線によるがん細胞の死滅(消失)は、照射した線量に関係しており、照射する線量が多ければ多いほど、がんを死滅させることができます。
「効果が高くて、副作用は少ない方がいい。できれば、副作用ゼロがいい」患者さんと医師、共通の願いです。

副作用を抑える副作用を抑え、放射線治療の効果を上げるためには、周囲の正常組織や放射線に弱い臓器に可能な限り放射線が当らないようにしながら、がんにのみ放射線を大量照射する必要があります。

がん細胞だけにピンポイントで照射ができれば、ほとんどのがんを根治することも不可能ではありません。しかも、その場合副作用はゼロです。

その夢の実現に近づいた放射線治療装置がサイバーナイフです。
サイバーナイフが最も生かされるのは、遠隔転移のない、小さな(6センチ以下の)早期がんの治療においてです。

サイバーナイフ治療は患者のQOL向上に貢献

ピンポイント照射を得意としているサイバーナイフは、短期治療を可能にしています。
たとえば、3センチ以下の小さながんであれば、1回の治療で消失させることも夢ではありません。分割照射にしても、1週間の治療(4~5回の照射)で終わります。患者さんにとって短期間で治療が終わることは何よりではないでしょうか。

具体例として前立腺がんを挙げましょう。従来の放射線治療では、7~9週間、つまり2~3カ月程度の治療期間が必要とされていました。
ですが、サイバーナイフを利用した治療であれば、期間は1週間、照射はたったの5回で終了します。

通院サイバーナイフのさらに嬉しい特徴が、1回の治療時間が短いことです。従来の機器では1時間半かかっていた治療が、サイバーナイフなら約30~40分で済みます。
しかも大半はサイバーナイフが動く時間で、実際に放射線を照射する時間は30~40分のうちのたった数分です。

治療が終われば、特に制約はありません。治療も入院ではなく、通院で行われるのが通常ですので、そのまま自宅に帰れます。

身体への負担もほとんどないので、治療後は通常通りに日常生活を送れますし、もちろんリハビリ等の必要もありません。
身体への負担を最小限に抑え、がんを細部まで叩くことのできるサイバーナイフによる放射線治療は、患者さんのQOL(生活の質)を向上させる理想的ながん治療法です。

まとめ

がんと言えば手術。そんな時代はもう終わりを告げています。
QOLこれからはもっと、いかに副作用なく、いかに体への負担なく治療を終えることができるかーー

つまりいかにQOL(生活の質)を維持・向上させることができるかに、がん治療の重きは置かれるべきです。

サイバーナイフを使った放射線治療は、治療効果の高さという面はもちろん、QOL(生活の質)の面からも理想的ながん治療法です。より広く知られることを願っています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。